海風前線

海風が陸地内部に侵入しているとき、陸地内部の暖かい風との境に形成される前線が海風前線です。この前線の通過にともない、にわか雨が降り、突風が吹き、気温が急に低くなることがあります。またその付近に周囲から気流が収束し、対流活動が盛んなため、この前線通過時または通遇後に太気汚染濃度が増加し前線の移動につれて、汚染区域も移動します。東京都などで続発していた光化学スモッグは、海風前線の動きに関係があるとされています。
海風は、海岸地方で夏、日射が強く、一般的な風が弱い日に発生する局地的な風で、海岸から陸地内部に、30から40キロ位の範囲まで及ぶことがあります。昼間、陸地は日射で気温が高く、海面の温度が低いことによって発生する風で、海面上の冷たい空気が海風として陸地内都に吹き込みます。海風は午前中に始まって夕刻まで続き、午後に最大となります。風速は5メートルから6メートル
夜間には、放射冷却によって冷えた陸地内部から、陸風が海上にむかって吹きます。陸風は、夜半に始まって早朝まで続きます。風速は海風より弱く、2メートルから3メートル。海風と陸風の交代期、風のない状熊がナギで、朝夕に応じて、朝ナギ、タナギと言います。阪神や瀬戸内地方のタナギは顕著で、夏の夜、耐え難い暑さをもたらします。

気象と天候

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